2016.11.22
「ピロリ菌の検査と除菌をしていますか」に関する調査結果 医師の半数が「検査を受けた」、 感染していた医師の8割以上が「除菌した」と回答
医師10万人以上(国内医師の3人に1人)が参加する医師専用コミュニティサイト「MedPeer(メドピア)」を運営するメドピア株式会社(東京都渋谷区、代表取締役社長:石見 陽)は、会員医師を対象に「ピロリ菌の検査と除菌」についてのアンケートを実施いたしました。
<調査背景>
ヘリコバクター・ピロリ(以下ピロリ菌)感染と胃がん発症の関連を明らかにするエビデンスが蓄積され、予防医療としてのピロリ菌検査と除菌が重視されていますが、一般の方々への認知はまだ十分でないと言われています。そこで、医師自身はピロリ菌の検査(感染診断)や除菌を受けているのかについて調査いたしました。
調査結果
※回答者:MedPeer会員医師4,498人、調査期間:2016/10/3~2016/10/9
■医師のピロリ菌の「検査受診率」は49.8%。受診していない医師の71.3%が今後「受診を希望」。
■検査を受けた医師のピロリ菌「感染率」は39.0%。感染していた医師の86.5%はピロリ菌を「除菌」。
医師のコメントを見ると、ピロリ菌感染の有無による胃の違いを患者で実感しているため自身も受けたという声や、ピロリ菌感染や胃がんの家族歴(身内にいるか)によって受診を判断している医師もいた。
感染が見つかり除菌に成功した医師からは、「便通がよくなった」「食後の胸やけがなくなった」など、体調が改善したという声が挙がった。
回答コメント(一部を抜粋)
「検査を受け、感染はなかった」 1,367名
・医師3年目の時、上司の先生にカメラをやってもらいました。胃に入った瞬間、「あ、いないね」と言われました(笑)。(30代、消化器内科)
・内視鏡検査をしていると、ピロリ菌感染の有無で明らかに違う。除菌、未感染者の増加で最近は胃癌にお目にかかることが激減しました。(50代、一般内科)
・日本の上水道環境が整った1960年代あたりからヘリコバクター・ピロリの感染率は下がっています。20~30代ぐらいでは感染者の方が少ないでしょう。万一、感染があるようなら除菌すべきだし、採血などで済む話なので早く調べた方がよいと思います。(50代、一般内科)
「検査して感染が見つかり、除菌した」 755名
・ピロリ菌陽性で除菌しました。除菌後、腸内フローラが変化したようで、すごく便通がよくなり、体調がよくなりました。経験すると、患者にも説明しやすくなりますね。(50代、一般内科)
・食後の胸やけや二日酔いの時の嘔気嘔吐がほとんどなくなり、とても快適です。人生の苦しみの何割かがなくなったと感じるほどです。(40代、泌尿器科)
・父親が60才で胃がんになりました、私も心配ですのでチェックしたら陽性でした。1次除菌は失敗しましたが、2次除菌がうまくいきました。(50代、一般内科)
・消化器専門ですが、感染胃と未感染胃では雲泥の差があるのですぐに除菌をしました。幸いまだ若いので胃炎の程度は軽くてよかったですが。(30代、消化器内科)
「検査して感染が見つかり、除菌には失敗した」 55名
・過去に2次除菌まで行いましたが失敗です。新しい薬での除菌をトライしてみようと思っています。(50代、アレルギー科)
・2次除菌する予定ですが、1週間の禁酒がつらいので、やっていません。(60代、循環器内科)
・除菌2日目に、1晩中下痢となり、中断しました。共存していくことにしました。(60代、循環器内科)
「検査して感染が見つかったが、除菌はしていない」 63名
・普通はやるしかない状況ですが、抗生剤の一つにアレルギーがあるので除菌しておりません。患者様には除菌をお勧めしているのですが。(60代、消化器内科)
・60歳までは内視鏡検査。その後に長い付き合いの友との別れを検討します。(50代、小児科)
・このご時世、そろそろ下痢を覚悟して、除菌しようと考えております。(50代、消化器内科)
「検査を受けていないが、今後受けたいと思う」 1,550名
・知り合いの消化器の先生に、ピロリ菌がいるとどこかの時点で胃癌になるとの話を聞いてからは、ピロリ菌いるなら除菌したいと思います。(30代、放射線科)
・なかなか時間がなくて内視鏡の予約取れません。でもいずれ検査しようと思います。胃がんの一番のリスクですしね。(40代、循環器内科)
・胃カメラを受けたが、萎縮性胃炎の所見がなく、検査は受けていません。胃カメラに所見が出てきたら受けたいと思います。(60代、一般内科)
・両親とも陽性なので自分も陽性の可能性があると考えていますので、近いうちに受けたいです。(40代、神経内科)
「検査を受けていないし、今後も受けようと思わない」 624名
・2人に1人が持っている菌を、わざわざ除菌する気はない。それよりも生活習慣を正すことの方が重要である。不適切な生活習慣の上では、除菌だけで胃癌撲滅はあり得ないと思う。時間をかけて指導するのは、投薬するより大変な労力をかけてしまうが、医療とはそれが本来の姿ではないか?(60代、一般内科)
・現在63歳で、これまで胃潰瘍や、十二指腸潰瘍の既往なし。家族歴にも潰瘍・胃がんの既往なし。なので検査は受けません。(60代、感染症科)
・胃内視鏡検査で萎縮性胃炎が見られないので特に検査を受けていません。(50代、一般内科)
調査概要
■調査期間:2016/10/3 ~ 2016/10/9
■有効回答:4,498人(回答者はすべて、医師専用コミュニティサイトMedPeerに会員登録をする医師)
■調査方法:MedPeer内の「ポスティング調査」コーナーにおいて、医師会員からご投稿頂いたテーマをもとに、以下の質問を投げかけました。
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ヘリコバクター・ピロリの除菌が慢性胃炎に対しても保険適応となり、3年半が経過しました。
私の周囲では、一般の方への認知はまだ不十分と感じることもありますが、
先生方ご自身は今までにヘリコバクター・ピロリの検査(感染診断)や除菌を受けられましたでしょうか?
1. 検査を受け、感染はなかった
2. 検査して感染が見つかり、除菌した
3. 検査して感染が見つかり、除菌には失敗した
4. 検査して感染が見つかったが、除菌はしていない
5. 検査を受けていないが、今後受けたいと思う
6. 検査を受けていないし、受けようと思わない
7. その他
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【引用・転載時のお願い】
本調査結果の引用・転載時には、必ず下記のとおりクレジットを明記いただけますようお願い申し上げます。
・医師専用コミュニティサイト「MedPeer」調べ、と明記ください。
・WEB上での引用に際しましては、「MedPeer」に https://medpeer.jpへのリンク付与をお願い致します。
メドピア株式会社について
「Supporting Doctors, Helping Patients.」をミッションとして、医師同士が臨床経験を共有する医師専用のコミュニティサイト「MedPeer」を運営。現在10万人以上の医師(日本の医師の3人に1人)が参加し、医薬品や疾患に関する医師の”集合知”を形成。グループ全体では、オンライン医療相談プラットフォーム「first call」や、管理栄養士によるパーソナルダイエット指導サービス「ダイエットプラス」を展開。医師プラットフォームを基盤に、医師向けの臨床支援サービスや一般向け健康増進・予防サービスを展開し、「医療の再発明」を目指す。
参照URL:https://medpeer.co.jp/