代表が答える、14の問い
採用プロセスに進む前に、想定される疑問に代表の後藤が率直にお答えします。
事業戦略、生成AIへの考え方、組織のリアルな姿、評価の考え方——。一般的な「よくある質問」ではなく、メドピアが何を考え、どこへ向かおうとしているのかを知っていただくための問いと回答です。

事業戦略・ビジネスモデル
ご指摘のとおり、医師プラットフォームと医療機関支援プラットフォームは、かなり異なるビジネスモデルです。
私たちが採用サイト内で詳しく説明している「プラットフォームビジネス」というあり方に一番合致するのが、医師プラットフォームです。このビジネスの概要・特徴については、サイト内で詳しく述べていますので、そちらをご覧いただければと思います。
一方で、医療機関支援プラットフォームは、ビジネスモデルでいうとバーティカルSaaSと呼ばれるモデルです。病院というドメインに限定したSaaSを提供しています。
両方やっている理由は、私たちのMissionとVisionの根底を突き詰めていくと、ベースは「医師を支援する」という点に行き着くからです。
医師がどういう世界にいるのかを考えてみると、医師はまず何よりも「臨床」、つまり患者さんに向き合っています。同時に、医師は病院やクリニックといった「医療機関」に所属しています。
前者に対応するのが医師プラットフォームであり、後者に対応するのが医療機関支援プラットフォームなのです。つまり、医師を支援する上で、臨床という「個としての医師」に向かう方法と、医療機関に所属する「組織における医師」に向かう方法という、2つの方向があるのです。
この2つの方向を、私たちの一番エッセンシャルな事業展開領域として据えることで、医師プラットフォームと医療機関支援プラットフォームの2つを展開しているのです。
塗り替えられると思っています。
その理由は、私たちが「プロダクト」、もっと言えば「プラットフォーム」というものに、事業活動の力点を置いているからです。
特にWebサービスにおけるプロダクトというのは、5人が作ったものが1億人に使われるということが可能です。
もちろん医療の領域は、多くの人が共通して持つ広大なアンメットニーズがあるというよりも、複雑に細分化した領域での深いアンメットニーズが点在しているような世界です。ですが、こうした「細分化しているけれど深いニーズ」を、大きなプラットフォームという場によって包むようなモデルを設計することができれば、日本の医療にとってエッセンシャルで、医療の未来を前向きに変えていくことができるサービスが作れると思っています。
私たちのMissionは “Supporting Doctors, Helping Patients.” なので、中心にはドクターがいます。
・ドクターを直接支援するのが、医師プラットフォーム
・ドクターが所属する施設を支援するのが、医療機関支援プラットフォーム
私たちが提供している今のサービスラインだけを見れば、医師については臨床支援が中心ですし、医療機関については予約の部分を中心とした支援です。しかし志向しているのは、あらゆる側面からの支援です。
まずは臨床の支援から、まずは予約の支援から入るわけですが、医師と医療機関において、まるでインフラのように使われるプラットフォームとなることで、日本全体の医療を支えていく。それが私たちのプロダクトを通し、プラットフォームを通して実現できる未来だと信じています。
非上場化を選んだ理由は、一定のリスクを負って中長期でのプラットフォーム投資をしていかなければならないフェーズに、今のメドピアがあるからです。そうした事業活動をしていく上で、一番最適なフォームが「非上場化」という選択だったと考えています。
少し背景をお話しすると、私たちにはコロナ禍という外部環境の急速な変化によって、ある種のバブル的な急成長をしてしまった過去がありました。けれども、そのバブルの中でも一貫して起こっていた大きな潮流変化もありました。この変化は、ゆっくりですが巨大なもので、メドピアはこの潮流変化に本気で向き合わなければいけないフェーズにあるわけです。
その潮流変化を整理すると、1つは「オンコロジー・スペシャリティへのシフト」。もう1つは「生成AIの技術革新」です。この2点をどう捉えるかはこの採用サイト全体で何度も言及しているので、ぜひご覧ください。
いずれにせよ、こうした大きな潮流変化への中長期的な対応と、生成AIという非常に革新的でディスラプティブな技術に柔軟かつ即座に向き合っていくという意味で、メドピアが非上場化をし、もう一度スタートアップに戻るという意思決定は、日本医療に確かな貢献をしていく上で必須だったと考えています。
MBOをしたからという訳ではないのですが、第二創業期においても変えないものと変えていくものを、私たちは「根と翼」という言葉で表現しています。
「根」というのは、私たちが創業以来変えずに持ち続けている、存在意義に近いものです。具体的には、メドピアのMissionです。“Supporting Doctors, Helping Patients.” という、医師とその先の患者さんのために私たちは存在するのだ、という出発点は全く変えようのないものです。また「集合知により医療を再発明する」というVision。集合知というコンセプトは、メドピアが医師による医師のためのサービスとして存続してきた原動力ですが、このアプローチも変えません。
一方で、変えることは「翼」と呼んでいます。一番特徴的なのは、生成AIという技術革新をテック企業として社内の業務にどう適用し、プロダクトにどう組み込んでいくかという点です。そしてもう一つは、スタートアップとしてリスクテイクしていく組織風土への変革。この2つが大きく変わっていくところであり、私たちの飛翔を実現する「翼」なのだと考えています。
私たちは、理念を追求することに強くこだわり続けてきた会社ではありますが、理念だけの会社ではありません。もし理念だけの会社であれば、20年間もこの厳しい競争のある世界で生き残ってはいけなかったと思います。
創業者で現会長の石見は、「理念と利益を共に追求することが、私たちを一番遠くまで連れていくことができるアプローチなんだ」ということを言い続けてきました。いま、第二創業期を迎えた私たちが取り組んでいるのは、この「理念と利益の両立」を構造的に実現することです。
メドピアがずっと続けてきた「プラットフォームビジネス」に、この手掛かりがあると考えています。短期的に理念と利益を追求しようとしても、構造的なビジネスモデルは描けません。でも、プラットフォームという、時間的にも空間的にも長期の視点を持つことによって、はじめて理念と利益の追求が相反することではなく「同じことである」というモデルが描けると思っています。
これは極めてプラクティカル(実践的)な話です。幻想でも理想でもなく、中長期の視点を持つと「理念と利益の両立」こそが、本当に一番遠くまで行けるアプローチであることがわかるのです。

生成AI・テクノロジー活用
20周年記念イベント(2025年2月実施)のタイミングで、プレゼン用に準備した資料の中に、ひとつ面白いデータがあります。
雇用型テレワーカー*の割合(令和5年度)

出所:国土交通省「令和5年度テレワーク人口実態調査-調査結果(概要)-」より当社策定 ※雇用型就業者の内、現在の主な仕事でこれまで、テレワークをしたことがあると回答した人
これは、産業別のリモートワーク実施率の資料です。最もリモートワークが進んでいる業界が、私たちテック企業が所属する情報通信業であり、最もリモートワークができていない産業が、医療機関・医療従事者が従事する産業だったということを示しています。直感通りの結果ですが、数字で見るとインパクトがあります。ヘルステック企業というのは、「最もリモートワークが難しい産業」に対して、「最もリモートワークがしやすい環境の企業」が向き合っているという整理ができるわけです。
さて、リモートワークが可能ということを生成AIの文脈で捉えると、あらゆる情報がデジタルに扱えるデータとして既にやり取りされている状況にある、ということです。そうでなければリモートワークは成立しません。そしてこうした環境は、AIが最も活躍しやすい環境でもあります。
テック企業においては、人ではなく生成AIが果たせる領域がすごく大きいのです。ですので、私たちが人としてやっている業務のかなりの部分が、生成AIを活用することによって大きく効率化されたり、代替されたりしていくと思っています。
一方で、私たちはテック企業であると同時にヘルスケア企業でもあります。最もリモートワークがしにくく、最もAIの浸透が難しいであろう医療業界に向き合っている企業でもあるわけです。つまりそこには、人でしか発見できないような課題と解決策があるはずなのです。
言わずもがなですが、生成AIの開発をしたのは、もともとエンジニア集団です。また、エンジニアが書いているのは、当然コードという「言語」です。大規模「言語」モデルが、コードを書くことと極めて相性がいいのは当たり前ですし、その技術を発展させてきているのはエンジニア集団だからこそ、自分たちの仕事をよく理解し、それをレバレッジする形でAIエージェント等の開発領域での進化が非常に進んでいるわけです。
でも、開発ということを「プロダクトを生み出すこと」と大きく捉えると、実はそんなにシンプルではありません。本当にユーザーに支持されビジネスとなるプロダクトを作っていくプロセスは複雑です。このプロセスがどう細かく分解されていくのかという整理と、その中でどういう職種の人たちがコラボレーションしているのか、その解像度を丁寧に上げていかない限り、必ずしも生成AIの力だけでプロダクト開発全体のレバレッジが効くことにはなりません。
本当に生成AIの価値をプロダクト開発という仕事に反映していくためには、私たちの開発業務を広くかつ解像度高く捉えて、その中で生成AIを活用させていくことを丁寧に設計しなければならないのです。つまり、エンジニア個人としてのAI活用のスキル・力と、組織としてAIを活用する環境づくりという、違う性質のものがあるのです。前者の力はエンジニアにとって必須要件です。そして後者の力を持っているエンジニアは、これから一層、付加価値が大きくなると思います。
いずれにせよ生成AIは、力のあるエンジニアの能力をレバレッジする装置ですから、一人のエンジニアが出すパフォーマンスの格差はどんどん広がっています。企業として、高いレバレッジを出せるエンジニアをより一層評価していく形が進んでいくのは間違いありません。
生成AIの登場によって、テック企業が出すプロダクトには、次のようなことが言われています。
典型的なのは「SaaS終了論」のような、生成AIのワークフロー自動化で業界に特化した旧来のシステムは代替される、といった世界観です。私は、「生成AIが産業全体をものすごい勢いで変えていく」という言説自体もバブルだと思いますし、「SaaSが全くいらなくなる」といった言説も逆バブルというか、同じことの両面だと思っています。
生成AIは革命的な技術です。けれどもリアルビジネスにおいてプロダクトを作っていく上では、もっと冷静に、生成AIが持つ可能性と限界を丁寧に捉えて、医療の世界でどう提供していくのかを考えなければなりません。
私たちの現時点での仮説的な着眼点は2つあります。
一つは、医療特有の「安全性」の重要さをどう捉えるかという話です。つまり、ミスができない世界の中で、生成AI特有の不完全性、非決定性というものをどう取り扱っていくのか。医療は様々な局面で安全性が重視されますが、どういうシーンにおいて「安全性」がどの程度求められ、どういうシーンでは逆に不完全・非決定でも問題ないのか。それを丁寧に捉えていくことが、まず一つ目の着眼点です。
もう一つは、生成AI自体が参照する情報の中心は、現時点では公開されている論文などのエビデンスが中心だという点です。けれども医療においてはエビデンスだけで意思決定がされているわけではありません。いかに臨床上の意思決定や判断を、価値判断も含めてしなければならない時の手掛かりとなるような「集合知」をプラットフォームに蓄積していき、それと生成AIをうまく掛け合わせていくのか。
この2つが、現時点では、私たちが医療領域においてプロダクトを作る上で重要なポイントになると考えています。

働き方・組織運営
生成AIの登場によって、プロダクト開発や運用に非常に大きなレバレッジが効くようになっています。一方で、それ以上に「人と人がコラボする」「人と人が会うことでしか生まれない価値」の希少性が増してきていると考えています。
Q6で、ヘルステック企業とは、テック企業であると同時にヘルスケア企業でもあるという話をしました。医療という世界は、最もリモートワークがしにくい世界です。人の物理的な身体がなければ何もはじまらないような世界です。ですので、テック企業であると同時に、医療に向き合うヘルスケア企業でもあるメドピアにとって、リアルの力というのはこれまで以上に重要です。
メドピアはプロダクトの力を信じる企業です。プロダクトの力を信じるためには、私たちのプロダクトを使ってくださるドクターをはじめとしたユーザー、製薬企業をはじめとしたクライアントに直接会いに行って、その「声」と「ペイン」を自分たちの中に取り込んでいくことが、何よりも重要です。プロダクトを大切にしているということは、リアルな人の力を重視していることと、むしろ極めて強い相関があることなのです。
メドピアは、2024年に「構造改革期」というフェーズを経て、2025年から「第二創業期」というフェーズを迎えています。
2024年の構造改革のタイミングは、1年間で大きな事業の売却や撤退といったことをやらなければならず、その時は非常にトップダウンの性質が強い組織風土だったように思います。
一方で、2025年以降の再成長期においては、不確実性の中のリスクテイクを、組織の力で、チームの力でやっていくということに、マネジメント方針はシフトしています。
トップが大きく示すのは、「メドピアがどこに、どのようなアプローチで、なぜ向かうのか」というMission/Visionを第二創業期のタイミングで解釈し直すフィロソフィーの部分と、プラットフォームビジネスを中長期で成長させるためのストラテジーです。また、非常に中長期の投資が必要とされるプロダクトについては、トップがリードしてやっていくことになっています。
それ以外のところについては、フィロソフィーやストラテジーが示す大きな枠組みの中で、各部を中心に相当大きな裁量を持って推進する事業体になっています。少人数の企業なので、各メンバーがかなり大きな裁量を持って仕事を進めなければならない、そういった風土です。
さて、裁量というものは、会社が与える前に、一人ひとりのメンバーが実力でつかみ取るものです。ですので、裁量があるかないかということで言うと、大きな裁量を持ってもらう組織構造にはなっています。けれども、ある一人にその裁量が渡されるかどうかは、その人の実力次第です。
先ほども触れましたが、私たちが所属するテック企業というのは、リモートワークが非常にしやすい環境にあります。けれど逆にそれが意味することというのは、テック企業の仕事の多くは、生成AIの進化によってAIが代替できるような、あるいは非常にレバレッジを効かすことができる時代が来ているということです。
リモートワークという働き方は、働く個人としては当然いい面が多くあります。でも会社としては、同時に失っているものもあるのです。医療という世界は、リモートワークが最もしにくい世界です。そういう世界で働く医療従事者のためにプロダクトを作っている私たちが、医師や医療従事者のもとへ、クライアントのもとへ足を運ばずしてプロダクトを生み出せるはずはないと思っています。
ですから私たちは、リアルに社員同士が顔をあわせること、ユーザーやクライアントのもとに訪れることでしか生み出されないような付加価値を重視しています。メドピアが全社として今取っている方針は、「原則、週3日の出社」とするものです。
ただお伝えしたいのは、リモートワークだろうとリアルであろうと、生成AIをはじめとしたテクノロジーでは決して代替できないような高い付加価値を出している人がいるということです。一方で、やがてこのままではAIが確実に代替してしまうような仕事をし続けている人もいます。後者の人は、明らかに危機感を持つべきです。それがリモートであろうとリアルであろうと、メドピアでそうした人が評価されることはありません。
生成AIの進化によって、テック企業において「リアル」の価値はどんどん増していっています。ですので、リアルでしか出せない価値にコミットしていくことは、一人のビジネスパーソンの「生存戦略」として正しい選択のように私は考えています。
そして、リモートという働き方を選択していきたい場合には、これからどんどん進んでいく技術革新に対して、自分がそれをうまく使う側に回って付加価値を出すための研鑽を、不断に続けていかなければいけないと考えています。

人材・成長・評価
「仕事を知る」では、私たちの仕事に求められる、仕事のあり方の定義というものを独自に言語化しています。これはある意味で言うと、私たちに課された課題というか、理想です。
私たちがやろうとしている、医療という複雑性の非常に高い世界で、複数のステークホルダーを横断して価値を生むようなプラットフォームを立ち上げていく上では、こうした水準の力がそれぞれの職責を担う社員になければならないという、逆算から定義されています。
ですので、もちろん、まだ成長途上である人も多くいますが、この水準に達しようと皆が思っている、そういう組織でありたいと考えています。
「向いていない人」という項目で書かれている資質というのは、社会全般で考えれば良い資質とされるものが大半です。つまり、メドピアに向いている・向いていないということは、一般的な評価指標ではなく、メドピアという会社の固有性と照らし合わせた時の「向いてる・向いていない」という表現なのです。
なぜわざわざ「向いていない」という言葉まで書いているかというと、いまのメドピアにフィットする人材というのは限られるからです。万人受けする会社ではないからなのです。仮に能力水準としては高いものを持っている方でも、必ずしも入社して良い体験をできる会社ではない。けれども一方で、本当に一部の方にとっては、メドピアに入ることで非常に大きなフィット感や、良い経験ができる環境があります。
そういうかなり個別性の高い方に私たちとしては出会いたく、メドピアという会社の今の組織風土のリアリティを伝えたいという思いから、こうした表現をしています。選ぶ・選ばれるという関係ではなく、メドピアがやろうとしている「航海」に、一緒に乗ろうと思ってもらえる人に互いに出会うことが目的である、と考えています。これをうまく実現したいと考え、記載しています。
成長している人には特徴があると思っています。
それは、メドピアの中で、ある種の挫折であったり、自分の限界というものを強く感じて、そういう状態からもう一度立ち直った、一皮剥けたというタイミングに成長をしている人が多いように思います。
第二創業期にあるメドピアでよく起こっている典型的なパターンは、大きな裁量と大きなミッションを与えられて、一旦はそのミッションが果たせないというものです。果たせなかった時に、そこで辞めてしまう人もいれば、果たせていない状況を客観的に自覚して、そこから自分を変化させるというアクションに一歩踏み出すことができた人が、成長をしています。
大きな裁量を任されることは「評価」のように見えますが、裁量を任されるその瞬間は実は評価ではありません。裁量を任されて、自分の持っている力よりも大きな期待値に対してうまく成果が出ない。そういう状況下で、ある意味で自分自身を自己否定して脱皮したタイミングで——逆説的ですが——会社や誰かから評価されるという感覚から抜け出したような人が、結果として評価されている人になっているように思います。

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