医師同士のケンカ
2006.02.06
カテゴリー:独り言
頭蓋内病変は、緊急性の高い疾患です。(くも膜下出血等)
かかりつけの総合病院は、受付は終了していましたが、緊急性の高い患者さんは救急外来で受け入れています。
そういうわけで、患者さんには「念のため総合病院を受診して、CT検査を受けた方が良い」旨をお話ししました。
しかし、その後その総合病院の先生から電話があり、「緊急性はあるのですか?まずはそちらでやれることをやって下さい!」とのこと。
こちらではまだまだ他の患者さんが待っており、診療時間も決まっています。
私は緊急性があると判断しているわけですから、押し問答になってしまいました。
医師:「こっちは緊急血管造影が入って忙しいんです!やることが決まってから送ってください!」
私:「こちらも診療時間が決まっていて、患者さんが待っているんです!」
医師:「医師として診断がついてから送るのが常識でしょ!?」
私:「診断はCTを見なければいけないからお願いしているんです!(等診療所にはCTはありませんでした)」
お互いに熱くなってしまいました。患者さんの押し付け合いみたい・・。
自分も、研修医時代、総合病院の当直をやっていましたから、あの忙しさがよくわかります。正直外来の忙しさとは、質も量も違います。救急車のサイレンで正直気がおかしくなりそうでした。
先に先方に連絡を入れるなど、もう少し配慮すれば良かった。。
先方の先生も、言い過ぎたと思ったらしく、最後は丸く収まりましたが、お互いに気まずい思いが残ってしまいました。
おそらくは、先方の先生は、血管造影をやりながら、救急外来の患者さんの指示を出し、造影が終わると休む間もなく外来へ向かうのでしょう。
皆さんはご存じないかもしれませんが、この先生、おそらく翌日も通常勤務をします。
東横インの超過時間勤務が話題になっていますが、医師の世界では「36時間労働」は常識です。。。
本当に日本の医師は足りているのか、よく考えてみる必要があると思います。
もう少し、時間・人員にゆとりがあれば、医療従事者は患者さんに優しくなれると思うのですが。
- カテゴリー:独り言