MedPeerは5年目に突入しています。
2011.09.18
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Next Doctorsとして、2007年8月31日にローンチして4年が経過し、MedPeerは既に5年目に突入しました。
ビジネスモデルも何も無い時期からお付き合い頂いている人々、日々MedPeerのために仕事に没頭してくれているスタッフ、そして多くの医師のご助力を頂きながらMedPeerに関われていることを心から感謝しています。
先日久しぶりに学会に出展し、多くの先生方と直接お話しましたが、薬剤評価掲示板やインタラクティブ・ケース・カンファレンスなど、ご説明するとかなりの確率で納得して下さり、ビジネスという意味だけでなく多くの医師の必要としているサービスであることを再確認できました。
こちらの図は、今度コーポレートサイトを改修する際にも掲載しますが、MedPeerとして目指していることを模式化したものです。
過去、医療は「勘」や「限られた経験」に頼られていて、「この症状にはこれが効いたことがあるからこの薬を出そう」というレベルで行われてきました。しかしそれでは科学でなく、多くの事象から確からしい真実を抜き出し、一般化していくという思想のもと、数十年前から「根拠に基づく医療(Evidence Based Medicine: EBM)」が推奨されるようになりました。
私が臨床医になった時には、多くの医師が統計学的に処理された論文を読みこなし、日々の日常診療に適応・実践するようになっていました。最近ではだいぶ変わりましたが、当時はまだ日本発のエビデンスというものは少なく、所属していた医局では関連病院の協力の下、エビデンス構築のための先駆的な取り組みを行っていたことを覚えています。
これらの多くのエビデンスを元に各疾患毎の「ガイドライン」が整備され、臨床医の診療のための指針となっています。同時に医療不信の世の中で、ガイドラインに沿わない治療をすることは訴訟リスクの一因と捉えられるようになりました。
医療の世界も、標準化の流れの中で「マニュアル」が整備され、逆に医師個人個人の自由裁量が狭められるようになってきていたのです。
しかし、人間の個体というものは非常に不思議な存在であり、最後は一人一人の医師の「勘」が重要なケースが多くあります。
(最近では、NCI(National Cancer Institute)もBest Practicesという、標準化できないケースの収集を行っています。)
個人個人の「勘」はもちろん間違うこともありますが、逆に個人の医師の裁量によってうまくいくケースも多いのです。
この個人個人の「勘」を「集合知」として共有していく試みがMedPeerの「薬剤評価掲示板」であり「Q&A」です。
会員数が数千名の頃は質問が発生してもなかなか回答が得られず、価値を疑問視していた方もいらっしゃいましたが、現在では質問が発生してから24時間以内には会員が回答を寄せてくれるので、役に立ってくれていると考えています。
薬剤評価掲示板の方は既に11万コメント以上が投稿され、日本で唯一のサービスを利用して、臨床医同士が「医療用医薬品の処方実感」を共有しています。
EBMを補完するMedPeerの取り組みにより、医師個人個人の経験が集約され、理想の医療へ貢献できることを目指しています。
お世話になっている方々、今後とも、どうぞよろしくお願い致します。
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