2023.12.15
オムニチャネル・スペシャリティシフトが進む製薬業界において処方変更の決め手となる情報源が明らかに メドピアとエモーションテック、「製薬業界NPS®調査レポート2023」を公開
メドピア株式会社(東京都中央区、代表取締役社長 CEO:石見 陽、以下メドピア)と株式会社エモーションテック(東京都港区、代表取締役:今西 良光、以下エモーションテック)は共同で、医師専用コミュニティサイト「MedPeer(medpeer.jp、以下MedPeer)」の会員のうち、処方による治療を行っている医師3,269人に、国内外の製薬企業36社や薬剤に対する調査を実施いたしました。
本調査は2020年より4年連続で実施している顧客ロイヤルティを測る指標であるNPS®(ネット・プロモーター・スコア)※1を活用した調査となります。4回目となる今回の調査では、情報提供チャネルが多様化する中で製品領域や情報提供先によって重要視されているポイントが異なることが明らかになりました。
なお、本調査の詳細な結果は、「製薬業界NPS®調査レポート2023」として公開いたしました。
※1 NPS(ネット・プロモーター・スコア)とは、「正味推奨者比率」と訳され、顧客ロイヤルティ(ブランドやサービスに対する信頼度・愛着度)を数値化した指標です。「親しい友人にどの程度すすめたいと思うか?」という質問から推奨度を計測し、簡単に算出できる指標でありながら、顧客満足度やその他の顧客評価指標よりも企業収益性との相関が強いことから、日本だけではなく海外(アップルやグーグル、 GE等)でも導入が進んでいます。
注:ネット・プロモーター、ネット・プロモーター・システム、ネット・プロモーター・スコア及び、NPSは、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、NICE Systems, Inc.の登録商標又はサービスマークです。
▼製薬企業のNPSランキングなど、調査結果の詳細はホワイトペーパー「製薬業界NPS®調査レポート」をご覧ください: https://emotion-tech.co.jp/column/whitepaper/2023/pharma-report2023/
■調査結果サマリ
・製薬企業全体の薬剤NPSは、昨年比でほぼ横ばい
・薬剤NPSへの影響度の経年比較からも、デジタルチャネルは重要になっていると考えられる
・決め手となったチャネル・情報は、製品領域ごとに一部で特徴がみられた
■調査実施の背景
製薬業界では、コロナ禍を機に医師への情報提供活動のあり方は大きな変化を求められ、各製薬企業はオウンドメディアやウェビナーをはじめとしたデジタル施策へ注力してきました。新型コロナウイルスが終息し、従来のMR活動や講演会活動が戻りつつある現在においても、引き続きデジタルチャネルは医師との重要なタッチポイントとしてその役割を果たしています。
このようにチャネルが多様化する中、各企業は医師の処方活動へと繋がる情報提供を効果的に行うためにどのチャネルにフォーカスして取り組むべきなのでしょうか。
本調査では、医師に対して製薬企業ごとにNPSを計測し、疾患領域別に企業NPSの集計を行いました。さらに、オンコロジー/スペシャリティ/プライマリの3つの製品領域別に、実際に処方順位を変更した医師がどのような情報収集をしたのか、検討に留まった医師との特徴の違いについても分析を行っています。
■調査結果①:製薬企業全体の薬剤NPSは、昨年比でほぼ横ばい
製薬企業全体の薬剤NPSは、前回2022年の調査結果と比較すると業界全体として2.4pt低下、ほぼ横ばいという結果となりました。一方で過去4回の経年推移を見ると製薬業界NPSを取得しはじめた2020年と比べると推奨者の割合が7.4pt(20.2%→27.6%)増えており、新型コロナウイルス流行時より製薬企業全体でロイヤルカスタマーが増えていることがわかっています。
■調査結果②:薬剤NPSへの影響度の経年比較からも、デジタルチャネルは重要になっていると考えられる
薬剤NPSへの影響度は、2020年(第1回)、2021年(第2回)実施の調査では、「リアル講演会」や「担当MR」の影響度が大きいのに対して、2022年(第3回)、2023年(第4回)では「医療情報メディアでの製薬企業からの情報提供」の影響度が最も大きい結果となりました。コロナ禍当初に比べ医師がデジタルチャネルでの情報収集にも慣れてきており、製薬企業のデジタルチャネルを介したアプローチが重要になっていると考えられます。
■調査結果③:決め手となったチャネル・情報は、製品領域ごとに一部で特徴がみられた
「実際に処方順位の変更をした医師」に決め手となったチャネルを聞いたところプライマリと専門領域(オンコロジー/スペシャリティ)で傾向の違いが見られました。プライマリでは「医療情報メディア」及び「担当MR」が多い一方で、専門領域(オンコロジー/スペシャリティ)においては「講演会(オンライン)」「講演会(リアル)」が多いという結果になりました。
調査まとめ
新型コロナウイルス終息以降もデジタルチャネルは重要なタッチポイントとして確立され、オムニチャネルを前提として戦略が必要となる情報提供活動ですが、デジタルチャネルによる情報提供が医師の処方変更にも寄与していること、そして製品領域によって取るべき戦略が異なることが、データからも示されました。
今後も両社は、製薬企業におけるNPSの活用方法を共同で研究していくとともに、各種調査やコンサルティングサービス等を通じてNPS指標の導入やNPSを活用したマーケティング活動の実践を支援してまいります。
・調査対象者:医師専⽤コミュニティサイトMedPeerの登録会員のうち処方による治療を行っている医師
・調査期間:2023年10月2日(月)~9日(月)
・調査方法:インターネット調査
・有効回答数:3,269件
【ホワイトペーパー】
▼調査結果の詳細はホワイトペーパー「製薬業界NPS®調査レポート2023」をご覧ください:
https://emotion-tech.co.jp/column/whitepaper/2023/pharma-report2023/
<資料詳細>全18ページ
1. 製薬企業NPSランキング
1-1. 薬剤NPSの推移
1-2. 薬剤NPSランキング
1-3. 薬剤NPSと処方行動の関係
2. 薬剤NPSを高めるために押さえるべきチャネル
2-1. 全体|薬剤NPSに影響を与える重要なチャネルとは
2-2. 経年比較(第1〜4回)|薬剤NPSに影響を与えるチャネル
2-3. 製品領域別|薬剤NPSに影響を与えるチャネル
3. 製品領域別 「実際に処方順位を変更した医師」と「検討に留まった医師」の傾向の違い
3-1. 処方順位の見直しを検討したきっかけ
3-2. 処方順位変更の検討時に、情報収集をしたチャネル
3-3. 処方順位変更の検討時に、最初に情報収集をしたチャネル
3-4. 処方順位変更の決め手となった、チャネルと情報
3-5. 処方順位変更までの期間
【記事引用時のお願い】
本調査結果の引用・転載時には、必ず下記のとおりクレジット及び
URL(https://emotion-tech.co.jp/column/whitepaper/2023/pharma-report2023/)を明記ください。
メドピア株式会社/株式会社エモーションテック「製薬業界NPS®調査レポート2023 」
■医師専用コミュニティサイト「MedPeer」
「MedPeer」は、薬剤の口コミや症例相談など、多様なテーマで医師同士が経験やナレッジを共有している医師専用のコミュニティサイトで、2023年9月時点の会員数は16万人と国内の約半数の医師に利用いただいています。
また、製薬企業のWeb上での講演会をサポートする「Web講演会」機能の提供などを通じ、医薬品のデジタルマーケティング活動をサポートしています。
さらに、最近では「MedPeer」上の臨床医の治療における意思決定を蓄積した“集合知”である「インサイトデータ」の活用など、医療ビッグデータの一つである「リアルワールドデータ」に関しても取り組みを強化しています。
■顧客体験マネジメントサービス「EmotinTech CX」、従業員体験マネジメントサービス「EmotinTech EX」
顧客体験マネジメントサービス「EmotionTech CX」、従業員体験マネジメントサービス「EmotionTech EX」は、NPS® (ネット・プロモーター・スコア)をはじめとした感情データを基に、顧客体験、従業員体験の分析・改善・マネジメント支援を行うクラウドサービスです。
【メドピア株式会社 概要】https://medpeer.co.jp
会社名: メドピア株式会社 / 代表取締役社長 CEO 石見 陽(医師・医学博士)
所在地: 東京都中央区築地1-13-1 銀座松竹スクエア9階
事業内容: 医師専用コミュニティサイト「MedPeer(medpeer.jp)」運営、その他関連事業
【株式会社エモーションテック 概要】https://emotion-tech.co.jp/
会社名: 株式会社エモーションテック / 代表取締役 今西 良光
所在地: 東京都港区西新橋1-1-1 WeWork 日比谷FORT TOWER 11F
事業内容: 顧客体験(CX)マネジメントサービス「EmotionTech CX」及び従業員体験(EX)マネジメントサービス「EmotionTech EX」の開発・運営