Sermo v.s. AMA
2009.07.18
カテゴリー:Next Doctors関係

私たちは、医師向けSNSの成功事例として、アメリカの医師(元移植外科医)が立ち上げたsermoを強く意識してきました。

開設されてからまだ3年くらいですが、現在では既にアメリカの医師の10万人以上が所属し、質の面でも非常に活発なコミュニティを維持しています。

私たちがシンパシーを感じていたのは、単純な数や質の問題ではなく、その意識の高さであり、医師の集合知で世界を変える、というポリシーです。

また、業務提携先のセンスが良いのも他のSNSと違うと感じていた点でした。FDAやAMA(アメリカ医師会)、Bloomberg, ReachMDなどのメディア, Nature(科学誌), ファイザーなど、明確な意図を持った提携に、単なるお遊びのSNSではない、戦略的なリーダーシップを感じていました。

しかし、ここ数週間、残念なニュースが流れてきています。

sermo blogより

SermoとAMAがパートナーシップを解消し、かつ戦闘状態に突入しているようです。

SermoのファウンダーであるDaniel Palestrant氏自身が、「もはやAMAはアメリカの医師の意見を代表していない」と、データを元に主張しているのです。きっかけは、AMAが新たな医師向けの資格を医師に向けて発行し、「お金儲けに走っている」と疑われていることが原因のようです。(CPT code)

Daniel曰く、「Cash Please, Thanks!と言われているようなものだ。」と。sermo blogには、Take a stand, Tie a knotと、ネクタイ風にノットを作ったステートのイラストもあり、かなりの本気モードです。このバトル、海外で観客として見ている分には興味深いですが、医師向けコミュニティの運営者として考えると、微妙な印象を持っています。

コミュニティの運営者自身が、「政治的な主張」を始めた時、CGMには何が起きるのでしょうか?
日本では近年、全国医師連盟という組織が立ち上がり、日本医師会にモノ申す団体となりつつあります。
医師が28万人いれば、28万通りの考えがあるでしょうし、そのような意味では、この医療崩壊を受けて、様々な主張が生まれ、団体が結成されるのは当たり前の状況だし、健全だと思います。

ただ、それをコミュニティの運営者が、「途中から」始めるのは禁じ手ではないかと思います。

初めの説明(sermoでは、know more, know earlier)に納得して、その理念に賛同して入会した人たちに対して、後から、「このコミュニティはAMAと闘うことにしました」と言われても、内部の人々は戸惑うのではないでしょうか?

もちろん、自由な議論の場なので、sermoの会員の一人が他の会員に意見を問う形や、組織の結成を求めるのはOKだと思います。私が感じている危惧は、ファウンダーが旗を振りだしたとき、その旗に賛同できない人はこのコミュニティを去るしか方法が無く、結果として自由な議論をできなくなるのではないか?ということです。

今後、Next Doctorsの規模が拡大されるに従って、政治的な話題も増えてくるものと思います。
私はそのこと自体は問題ではないし、むしろ色々な主張がオープンに議論されるのは良いことだと考えています。
その「場」を提供する事、お互いが医師であり、プロフェッショナルマインドを持った医師同士が、互いに敬意を表しながらも、国の方向性のために議論する場を提供する。どちらか一方に加担するのではなく、オープンな議論の場を提供する事がNext Doctorsの役割の一つだと思っています。

Next Doctorsとしての意見を出しなさい!甘い!と言われることもありますが、「主張しない」ということが私たちの主張なのです。

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