Sermoから学ぶ(1)
2012.07.31
カテゴリー:MedPeer
最近、あえて若手医師や医学生向けに書いていたつもりなのですが、さすがにこのネタには触れずにいられないので、MedPeerの目指すことと重ねて「Sermo x WorldOne」のニュースを取り上げたいと思います。
WorldOne Acquires Sermo
http://www.sermo.com/news/press-releases/34
医師限定SNSの草分けであるSermoがイギリス出身の企業であるWorldOneに買収されました。
実は、発表の前にあるルートから事前に聞いていたのですが、WorldOneもSermoも両社とも私が面識のある会社。
このニュースを聞いた時は、理由は抜きに興奮しました。
さて、売却というExitになったSermoですが、その理由は何でしょうか?
完全に私の個人的な分析ですが、理由は3つあると考えています。
一つ目は、ビジネスモデルが成立しなかった(お金が回らなかった)こと。
http://www.sermo.com/business-solutions
こちらのリンクにある通り、sermoが主軸においたのは「ソーシャル・リスニング」や「マーケティング・リサーチ」と呼ばれる調査でした。
これら調査を統括するのは、製薬企業であれば市場調査部という部署であることが多く、その予算はマーケティングや営業の部署とは桁が違います。
MedPeerでも、医師、製薬企業が納得する形でいかに収益モデルを作り上げるか?試行錯誤を続けていますが、このSermoの失敗から学ぶことは多いです。
CEOであるDanielは、繰り返しビジネスモデルが大事なんだ、と強調していましたが、ある意味彼らの悩みも同一だったのでしょう。
二つ目は、アメリカ医師会(AMA)と決別したこと。
Sermoの初期には、内容は不明ですがAMAと蜜月の時期があり、AMA経由で多くの会員を獲得しました。
しかし、ある時期からSermoはAMAが米国の医師の代表として機能していないという主張を展開し、AMAと決別します。
この時期は毎週のように「From Sermo Founder」として各会員向けに署名を促すメールが飛んでいたといいます。
個人個人が政治や他の事象に対して何かしら思うことがあるのは当然です。
しかしながら、Sermoに集った医師は、創業者のの政治的な意志に賛同して参加したわけではないはずです。
いつの間にか、「Sermoはこう思う」とされては、参加メンバーが白けるのも止むないと思います。
例えばFacebookで、いつの間にかZuckerberg氏が「Facebookの主張」として王国的な宣言をしたら、と想像するとわかりやすいと思います。
もちろんMedPeerもそうですが、あくまでもプラットフォームであり、そこに参加する個人個人の意思はバラバラで当然なのです。
さて、最後の三つ目の理由は?
私の思い入れもあるので、珍しく二部構成にしたいと思います。
近日中にアップしますので、お楽しみに!
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