
Interview 02
現場のニーズを理解し寄り添うメドピアに、
医療連携の一翼を期待する
- 聖マリアンナ医科大学 循環器内科 主任教授
- 聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 病院長
明石 嘉浩 先生
福岡大学名誉教授
田村 和夫 先生
Q.
メドピアにご協力くださった決め手や理由があればお教えください。
個々の症例に応用できる、一歩進んだ情報提供
これまでは、専門領域の情報提供であっても一般的なものが多く、個々の症例の診断・治療に応用するには限界がありました。メドピア社が最近開始した「がん」に特化した情報提供(ClinPeer)は、5大がんを含む多くのがん種ならびにその疫学・診断・がん治療をカバーし、さらに治療方針に関して意見が分かれる可能性のあるモデルケースの提示と複数の専門家の意見・検討が参照できるようになっています。腫瘍を専門としている医療者の勉強・臨床応用に役立ち、他社の医療情報提供から一歩進んだ企画です。がんに限らずその他の領域にも広げているところはchallengingであり、その勇気と努力に拍手を送りたいと思います。
Q.
先生が感じられている医療業界の課題において、この先メドピア(もしくはメドピアプロダクト)に期待していることがあればお教えください。
皆保険制度の危機に向き合う、適正な個別化医療への貢献
医療業界のもっとも大きな課題は、医療費・医療経済、すなわち皆保険制度の崩壊の危機です。医学・医療が進歩してもそれを国民が平等に享受できる財政的なバックアップが必要です。医療費は日本の経済成長をはるかに超えて増加しています。医療の無駄を省き、効率よく診療すること、とともにそれを実践できる医療体制整備が必要です。とくに医療資源・医療費を多く使う高齢者や機能障害者の心身機能の評価とそれに対応した適正な個別化医療(過小でもなく過大でもなく)の展開が求められます。がんに限らず(たとえば、最近話題の透析末期患者、慢性心不全・呼吸不全)支持・緩和医療は、研究者が少なくエビデンスの構築が困難な領域であり、良質な観察研究結果やbig data解析を取り上げる必要があります。時には患者・家族の声を聴き、expert opinionも参考になります。難しい課題ですが、適格な情報を集積し広く提供できるメドピア社の人材を含む体制に期待しております。
Q.
メドピア(もしくはメドピアプロダクト)の掲げる理念や戦略において、共感されていることがあればお教えください。
医師向けの質の高い情報発信と、医療・介護・福祉の連携への期待
メドピア社のMission、「メドピアは、医師と同じ目線で人を救うことをMission(存在意義)としています。そして医師たちとともに、これまでにない理想の医療を創造することを目指して挑戦しています。」であることから、情報発信の対象が「医師」であり、医師に対する一般的な医療の現状から専門家が知らなければならない最先端の医療までカバーした情報発信が行われていることを高く評価しています。さらに個々の症例のマネジメントに役立つ会員に考えさせるもの(症例検討)をスピード感を持って実施しているのも評価できます。
一方、現在の医療はきわめて複雑になってきており、一人の医師の診療だけで完結することはありませんし、患者・家族が納得しないことも増えてきています。すなわち小規模であれ大規模であれ、second opinionはもちろん何らかの形でメディカルスタッフや高齢者の場合はとくに介護関連のスタッフや施設と連携しながら医療が進んでいます。医療は、患者の生活基盤がしっかりしていないと成り立ちません。非高齢者は福祉サービス、高齢者は介護サービスが生活基盤のサポート役を担っています。こういった脆弱者に関する医療者の理解とサービスとの連携が重要であり、医療・介護・福祉の現場からの取り組みの情報や研究者の意見を医療者に対し発信することも「helping patients=患者を救う」ことになります。ただし、数値化できるものは数値で示し、エビデンスレベルの高い情報が必要で、ハードルは高いです。
Q.
その他、何かメドピアへの想いやメッセージがあればお教えください。
変化をキャッチし、双方向で意見交換できる仕組みづくりを
医療者や患者の求めていることや不満は、医療の進歩、経済・政治の動きと共に変化します。変化を速やかにキャッチし、その変化に対し、helping patientsになるためにchallenge精神でしかもスピード感をもって、質の高い情報や見解を医療者、患者・家族のために継続して発信していただきたいと思います。そして一方的でなく、narrativeな双方向の意見の交換ができる仕組み作りを期待しております。おそらくAIの活用が一部を解決してくれるのではないかと思っております。

経歴
米国にて内科・腫瘍内科研修(1975-80年)、同専門医取得。帰国後日本血液内科専門医・指導医。1997年福岡大学医学部教授、2020年同大学名誉教授。専門は腫瘍・血液内科。現在、老年腫瘍学、支持医療の確立に力を注いでいる。
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現場のニーズを理解し寄り添うメドピアに、
医療連携の一翼を期待する
明石 嘉浩 先生