ヘルステックにおける「ロボット」は、もはや「おもちゃ」ではない
2017.03.08
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先週末、「ロボティクス×医療の“今”をつかみ“未来”をつくる」をテーマに、MedPeer Healthtech Academy chapter 1を開催しました。

開催者である私でさえ、当初は「ロボット=おもちゃ」的な先入観をわずかながら持っていました。恐らく、参加された皆様もそういう感覚を持っていらしたのではないでしょうか?

しかし、アカデミーの開催を終えた今、私はこの分野に新たなプラットフォームビジネスの世界が始まろうとしている、と感じています。

まず、冒頭の講演で、Pepperの生みの親と言われる林要氏からロボットの面白い定義と問題点の紹介がありました。ロボットに求める機能とは、「コストを低減すること」「自己を承認してくれる欲求を満たすこと」であり、この両者を同時に求めるようなロボットの開発の多くが失敗している、というものでした。

「コストを低減する」というのは、例えば産業用ロボットやルンバなどのことで、人間の行う単純作業を代替する機械のことです。最後にご講演頂いた宇山先生のダビンチによる最先端のロボット手術も、手術の侵襲を減らし、患者負担を軽減するということで、広義にはこちらに分類されると思います。(リアルな手術の動画も流れてビックリされた方もいらっしゃったと思います)

一方、「自己承認欲求を満たす」ロボットとは、Pepperに代表される人型のロボット、つまりコミュニケーションロボットなどを指します。このロボットは、さらにverbalとnon-verbalで別れるとのことですが、ここでは割愛します。

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私が、新たなプラットフォームビジネスの幕開けと感じたのは、このコミュニケーションロボットの領域です。

日本は、ICTの時代になってから、あらゆるプラットフォームビジネスで米国の後塵を拝し続けています。Google, Apple, Amazon, Facebookと、多くの企業は彼らのプラットフォーム上でのビジネスをせざるを得ない状況に追い込まれています。(LINEの存在はありますが)

プラットフォームビジネスというのは、圧倒的な母集団を作り上げるまでは多大な投資を必要としますが、構築が完了し、ビジネスモデルが成立するとひたすら収益が上がり続けます。当然、人が集うには理由が必要で、Googleは人々の検索したい、という欲求に応え、Appleは通話と音楽の欲求に応え、Amazonは購買、Facebookは人々と繋りたいという欲求に応えることでプラットフォーマーとなったと考えています。

では、なぜコミュニケーションロボットがプラットフォームなのでしょうか?

私も当然完全に理解できたわけではないのですが、今後コミュニケーションロボットはAIの進化とともに、人々の「承認されたい」、「存在を認めてほしい」という欲求に的確に応えていくだろうと感じたからです。

インターネットに繋がっていない時代のロボットは確かにおもちゃに近かったのかもしれませんが、今後は組み込まれている知能が格段に賢くなり、消費者の求める挙動をすることで、消費者の欲求を十分満たしていくことでしょう。さらに、人々の日常生活に同居することで、スマホよりもさらに深く生活に溶け込んでいく可能性があります。ここには生活に必須のたくさんの情報が詰め込まれていることでしょう。

これは、まさにプラットフォームが成立していく過程なのではないでしょうか?

ただし、今までのプラットフォーマーと異なるのは、より無意識に近い領域への価値提供となるため、人それぞれにかなりバリエーションがあるであろうということです。好き、嫌いと言ったより本能に近い感情を相手にすることになります。人型が好きな人もいれば、猫型が好きな人もいるわけで、その個人差に対して様々な筐体を用意する、というのはかなり困難ではないかと思います。

今後は、例えば知能にあたる部分を複数社で連携して進化させつつ、筐体のバリエーションを個社ごとに競うなど、あらゆる方法でスピード感を持って市場を抑えることが重要だと考えます。アニメのある日本だからこそ、是非この分野では世界をリードして欲しいと思っています。

また、大きな問題が一つあります。より感情的な部分に入り込む、という意味で導入が進みやすいのは皆様のイメージ通り高齢者や幼児などであり、プラットフォームの対象とする消費者が、ビジネスとして直接的に関わっていくには難しい対象を相手とせざるを得ないことです。

アカデミーに参加しながら、自分だけでは普段目にすることがないものを見て、触れ、感じ、将来を夢想するのはとても刺激的だな、と改めて認識した週末でした。

というわけで、次回の「MedPeer Healthtech Academy」にもご期待下さい!

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